番外 台湾鉄道旅行 その6 ●台湾南端を日本製の旧型客車列車が駆け抜ける!
2013年 12月 29日
欧州とは異なり番外ですが、2013年9月に念願の台湾を往訪することができ、引退の近い日本製の旧型列車での旅行を楽しんできました¦
台湾の鉄道は日本が敷設したとのことで、車両だけでなく、信号などの施設設備を含め、日本流の仕組みで鉄道が運営されている点があり、日本の南九州を旅しているかのような感覚で、非常に楽しく、懐かしさを感じる鉄道旅でした。
●台湾南端を日本製旧型客車列車が駆け抜ける南廻線
南廻線は、台湾を一周する台湾鉄路管理局の環状鉄道として、最後に開通した区間。中央山脈を越え、険しい海岸線を通過する路線であるため、全長97.15kmのうち、トンネル区間が38.9kmを占めますが、列車は美しい太平洋の大海原を眺めながら、走り抜けます。
さらに日本製旧型客車が最後の普通列車運用に入るので、是非行きたいと思っていました。
↑見た目は本当に日本の旧型客車列車!↑
なおこれらはもちろん日本製ですが、中古ではなく、日本で新製されて台湾に輸出された車です。
(一部はインド製で自動扉の形の異なる車両もいます。写真では中間の車がそうです)
↑牽引するのはアメリカ型の大型ディーゼル機関車↑
しかし、台湾南端であることからアクセスは悪く、南廻線の起点「枋寮駅」(ファンリャオ)へは、台湾新幹線の終点である大都市「高雄」(カオシュン)から特急(自強号)で1時間、普通列車である区間車(←冷房付普通列車の意味)では2時間かかります。
↑後部の標識板(テールランプの周囲の赤い板)も昔日の日本と同じですね!懐かしい。↑
台湾国鉄には普通列車に2種類あり、「普快車」は冷房ナシ、「区間車」は冷房付で運賃が異なります。
日本製旧型客レは台湾全土でもついに最後の1日1往復のみ、南廻線の普快車以下のダイヤ。(2013年9月現在)
・普快車3671次 枋尞12:05→台東14:19
・普快車3672次 台東17:25→枋尞19:33
今回、1日かけて、このダイヤに全て試乗してまいりました。
これらの旧型客車は、元々が優等列車用だったそうで、日本のスハ44系に近い設備。回転クロスシートで、シート背面を倒すとシートが回転するこのシートも非常に懐かしい¦
昔の九州の485系特急電車(初期型)もこのシートばかりでしたよね¦そういえば、鹿児島の改造(ジョイフルトレインの元祖?)気動車キハ58系「らくだ号」もこのシートでした¦
この手の回転クロスシートは懐かしい!↑
私が約35年前、幼少期に日本で乗った旧型客レを彷彿とさせる味わい(乗り心地)で懐かしい国鉄の普通客レの味わいを満喫しました。
・味のある手動ドアのデッキ↑
・窓枠が国鉄してるな~・・・↑
他の方のブログ旅行記では、団体旅行客や私と同業の鉄道ファンの方が多く試乗され、騒々しく、のんびりできなかったとの記事もありましたが、私が試乗した日は9月の平日ということもあり、実に静かな旧型客レの旅路でした。
↑太平洋を眺めながら、車内を爽やかな海風が駆け抜けます!↑
↑後部も解放感抜群!非冷房ですが、走り出せば、海風を浴びて爽やかです↑
他に数名の鉄道ファンと思われる方もご一緒だったのですが、なんと¦(私も初めての経験でした!→)全て若い女性の方ばかりで、熱心に写真を撮られていました。ブログにレトロな電車として、アップされるのかな~?
その中で、ある女性が、停車時間の短い途中駅でホームに下車して、乗り遅れそうになり、車掌氏に注意され、慌てておられましたので、優しい?日本の鉄道オヤジである私が、当該列車の途中停車時間等の書かれたお手製の運転時刻表(列車ダイヤ)(事前に準備済)を見せて、英語で、「停車時間の短い駅は気をつけてね¦」と申し上げると、笑顔でお礼を言われ、その後の途中駅では一緒に撮影を楽しみました。
こんな出会いもまた良き思い出です¦
↑夕刻の台東駅で出発を待つ・普快車3672次 台東17:25発→枋尞行き 旧型客車車内から
右にはDR2700(東急車両 昭和41年製、元特急光華号の格下げ車)の普快車4683次 台東17:03発→玉里行 を見る。
今回、私が台湾行きを決めたのは、これら二つの味のある日本製の旧型列車の引退が近く、早めに乗っておきたかったからなんです。
↑旅のお供は、家内からプレゼントされたスイス国鉄SBB公式鉄道時計とすれ違い列車等をメモしたお手製の列車ダイヤ↑
↑途中の小駅で急行通過待ち。夏の夕方の虫の声を聞きながら、(エンジンのない)客車らしく静かな静かな一時。↑
最後の旧型客車鈍行の穏やかな旅をありがとう!
by since2007cello
| 2013-12-29 10:47
| 鉄道