(番外)台湾鉄道旅行 その1・・・旧型気動車DR2700(昭和41年東急車両製)

 突然、番外の内容で失礼します。

 今年は念願の台湾を往訪することができ、引退の近い日本製の旧型列車での旅行を楽しんできました¦
 これから数回にわたり、昭和を思い起こさせる旧型鉄道車両で行く台湾鉄道旅行をご紹介致します。

 台湾の鉄道は日本が敷設したとのことで、車両だけでなく、信号などの施設設備を含め、日本流の仕組みで鉄道が運営されている点があり、日本の南九州を旅しているかのような感覚で、非常に楽しく、懐かしさを感じる鉄道旅でした。

●台湾東部(花東線)を走る元特急気動車DR2700の格下げ普通列車

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 私は味のある鈍行列車好きで、特に元々優等列車であった車の格下げ車(乗り心地の良い普通列車、日本ではJR四国のキハ185-3000とか)が大好きなんですが、台湾にも格下げ普通がいくつか走っており、今回はそれらを全て試乗してきました。
 
 その一つ、台湾東部を走る花東線のDR2700をご紹介します。
 DR2700は昭和41年、台北~高雄を結ぶ特急「光華号」専用車両として日本の東急車輛で製造された気動車です。光華号はその当時にして台北~高雄は最高速度110Km/hの4時間40分で走破、現在でも停車駅の多い自強号は同区間を4時間30~40分を所要しますので、当時の軌道や設備事情などを踏まえると40年前のこの気動車特急がいかに俊足であったかが伺えます。

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↑製造当時の警戒色(前面の黄色)がない状態を鉄ファン向けに再現した車もいます。

 ちなみに光華號の表定速度80.8Km/hは当時の狭軌(1067mm)の気動車列車としては世界最速だったそうです。そんな華やかな歴史を持つDR2700は今、花東線の朝夕の通勤通学輸送用普通列車(普快車)に運用されています。DR2700は台湾の鉄道ファンからは「白鐵仔("ステンレス君"のような意味か?)」と呼ばれ人気が高いそうです。

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↑元特急用なので、車内は回転クロスシート。レトロな味わいがgood!

 しかし、現在、最後の活躍の舞台である花東線は、電化工事中で、電化工事完了後は、普通列車も電車化され、運用を離脱することになりそうです。今回が私にとっては最後の試乗になることは間違えなく、今回、丸1日かけて存分に試乗してまいりました。

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↑途中駅では電化工事中、電車化に合わせてホームのかさ上げ工事も・・・。引退近いDR2700は何を想う・・・?

 ちょうど昼間を走る良いダイヤのDR2700は1日1本しかなく、私は以下のダイヤで試乗しました。
●花蓮11:53→普快4678次→玉里14:18着/(休憩)/玉里17:05→普快4682次→台東18:46

 ちょうど、初老の車掌氏(台湾では「車長」というようです)も全く同じ乗務行路で、「モノ好きな日本人」と思ったのでしょう私に日本語で話しかけて頂き、すれ違い列車や追い抜き列車があり、しばらく停車するときは、丁寧にその都度、教えて頂きました。しかし私は撮影のためにも、事前に日本で、列車ダイヤを作成し、メモを手元に準備していたので、すれ違いや追い抜きの時間は分かっていました。
 
そこで、車掌氏にお手製の列車ダイヤを見せて「その都度わざわざ教えて頂かなくて大丈夫ですよ!」と申し上げたら、手製の列車ダイヤを見て驚かれ「自分で作ったのですか?すごい!」と笑われ(苦笑?)、停車時間中に、運転士も連れてきて二人で談笑(やっぱり苦笑?)されていました。それからさらにこの車掌氏とは仲良くなり、一緒に談笑しながら、非常に楽しく花東線の旅を満喫できました。

 なおこのDR2700、運転室は半室運転台で、最前部まで客席があり、最前部は展望席のようで、鉄ちゃんには最高の席なのですが、現在は「車長座」と壁に書かれており、通常は乗客は座れないようです。私が試乗した際も車掌氏が座っておられました。しかし数席後ろでも十分に前面展望できるので、数席後ろで、回転クロスシートを向かい合わせにしてゆっくりのんびり鉄旅を楽しんだ方が良さそうです!

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↑半室運転台で最前部まで座席なんです!

(私が鉄道に興味を持ったのは幼少期、地元の地方私鉄「鹿児島交通南薩鉄道線(昭和59年廃止)」でこのDR2700と同じように非冷房の気動車で窓を全開にして車内を通り抜ける風を楽しみ、やはり同じく優しい鉄道員さんに車両や車庫を案内して頂いたりしたことがきっかけです。今回の台湾の鉄道旅行も同じ思い出を残してくれ、存分に鉄分補給できました!ありがとう、台湾鉄路局さん!)

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↑昭和59年廃止 鹿児島交通 南薩鉄道線(少年は、35年前の私・・・そういえばこのキハ100も半室運転台で前面展望が楽しめました!)

途中の玉里駅では、3時間待ち合わせがあり、地方小都市である玉里をのんびり散歩。地元の有名ラーメンである「玉里麺」を試食したり、暑いので甘味店で台湾名物マンゴウかき氷を試食したりして過ごしました。こんな楽しみも鈍行列車の旅ならではの味わい…。

【なかなか難しい海外の普通列車試乗…】
・夏季休暇運休…


 実は今回の台湾行きは8月下旬に当初計画していました。
 しかし、他の方のブログ旅行記で、夏休み休暇時には区間運休している場合があるとの記事を見つけ、そりゃイカン¦(DR2700に乗れないなら行く目的が半減する)と、現地の台湾国鉄の関係の皆様には、お忙しいところ大変申し訳なかったのですが、台湾国鉄に直接メール(英文)でお伺いしたところ、やはり「夏休みは運休する」との回答を頂けましたので、慌てて、旅行期日を変更し、9月に往訪したのでした。

・あまりに旧型だと壊れて代車運用…

 このDR2700、製造が昭和41年製ということで、老朽化が進んでおり、私が試乗したDR2700も扇風機は一部壊れ、回転クロスシートも壊れて、一部回転不可能な状態になったままでした。
 ということは肝心のエンジン(カミンズ製)など走り装置も保守は大変らしく、恒常的に別車種の代走運用があるようです。

 私が試乗した日も対向の交換列車である台東16:06発普快4681次は本来はDR2700での運用なのでしょうが、実際には旧型客車の2両編成での運行で代走していました。
 「普快車」という種別は冷房ナシ普通列車ですから、サービスレベル上は、非冷房の旧型客レで代走できるわけです。

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↑運転機器はブレーキとマスコン(アクセル)が日本と逆に配置。


 そんなこんなで、なかなか試乗の難しい列車でしたが、無事なんとか花東線全線を往年の名車DR2700で試乗でき、非冷房で窓を全開にして走るローカル線好きな私は、最高の気分で、台湾東部の車窓を満喫できました。


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↑ありがとう!DR2700!




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by since2007cello | 2013-12-29 05:56 | 鉄道